処理方式

生ごみ処理機の種類は3つ|乾燥式・バイオ式・ハイブリッド式の違い

生ごみ処理機は、熱や風で水分を飛ばす「乾燥式」、微生物で分解する「バイオ式」、微生物の分解を乾燥や加熱で助ける「ハイブリッド式」の3種類に大きく分けられます。どれが一番というより、置き場所、毎日の手間、基材や消耗品の管理、処理したものの使い道で向き不向きが分かれます。においや置き場所、電気代は方式だけでは決まらないため、方式で候補を絞ったら機種ごとの仕様で確かめましょう。

この記事の要点

  • 生ごみ処理機の種類は、乾燥式・バイオ式・ハイブリッド式の3つに大きく分けられる
  • 乾燥式は基材がいらない一方で電気を使う。バイオ式は基材の管理が必要で、電気を使わない機種もある
  • ハイブリッド式の中身はメーカーによって違う。名前ではなく、実際の仕組みを商品説明で確かめる
  • 置き場所・におい・フィルターの有無は方式だけでは決まらない。処理したものも、そのまま完熟した堆肥になるとは限らない
  • 費用は本体・電気・消耗品の合計で考え、比べるときは処理量・運転時間・電気料金の単価・交換頻度をそろえる

生ごみ処理機の種類は、乾燥式・バイオ式・ハイブリッド式の3つに大きく分けられます。

  • 乾燥式:ヒーターなどの熱や風で水分を飛ばし、かさを減らす
  • バイオ式:基材(チップなど)にすむ微生物が生ごみを分解する
  • ハイブリッド式:微生物による分解を、乾燥や加熱、送風などで助ける

どれが優れているというより、「どこに置くか」「毎日どのくらい手をかけられるか」「処理したものをどう使うか」で向き不向きが分かれます。まずは方式で大まかに候補を絞り、最後は機種ごとの仕様で確かめる、という順番が失敗しにくい選び方です。

生ごみ処理機の3つの仕組みの概念図。乾燥式は熱や風で水分を飛ばして乾燥した処理物にする。バイオ式は基材の微生物の働きで分解する。ハイブリッド式は微生物の分解を加熱・送風などで補助し、組み合わせは機種によって異なる。処理物がそのまま完熟堆肥になるわけではないという注記つき
乾燥式は水分を飛ばし、バイオ式は微生物が分解し、ハイブリッド式は微生物の分解を加熱や送風で補います(仕組みの概念図)。図を拡大(原寸の画像を新しいタブで開きます)

3つの方式をひと目で比べる

それぞれの特徴を、よく比べられる項目で並べると次のようになります。ここに書いたのは方式ごとの一般的な傾向で、例外になる機種もあります。なお、この表と図の「ハイブリッド式」は、微生物による分解に加熱・乾燥・送風などを組み合わせたタイプを指します。同じ「ハイブリッド」という名前でも組み合わせが違う商品があるため、基材を使うかどうかも含めて商品説明で確かめてください。

項目 乾燥式 バイオ式 ハイブリッド式
仕組み 熱や風で水分を飛ばして減らす 微生物が分解して減らす 微生物の分解を、乾燥・加熱・送風などで助ける
日々の手間 入れて運転し、乾いたものを捨てる かき混ぜる、水分を調整するなど、微生物の環境を保つ 基材の状態を見る。機種によって、増えた中身を取り出す
費用の内訳 本体、電気代、脱臭フィルターなど 本体、基材の交換・補充。電動なら電気代も 本体、電気代、基材などの消耗品
基材 いらない 必要 必要(微生物で分解するタイプ)
置き場所 屋内向けが多いが、屋外に置ける機種もある 屋外向けが多いが、室内に置ける機種もある 機種によって違う
処理したもの 乾いた生ごみ。土に使うにはさらに時間がかかる 分解が進んだ基材。そのまま完熟した堆肥とは限らない 基材と混ざったもの。使い方は機種の案内に従う

方式で大まかな特徴はつかめますが、減り方や価格、電気代は機種によって幅があります。毎日出る量、置き場所、かけられる手間、費用の条件に合わせて選ぶのが近道です。

乾燥式:基材がいらず、キッチンに置きやすい

乾燥式は、ヒーターなどの熱や風で生ごみの水分を蒸発させて、量とかさを減らす方式です。

長所は、基材を買ったり管理したりする必要がないことです。生ごみを入れて運転し、乾いたものを捨てるだけなので、使い方がわかりやすい方式です。

短所は、水分を飛ばすために電気を使うことです。電気代は、1回の処理量や運転時間によって変わります。乾燥中に独特のにおいがすることもあります。

運転のしかたは機種によって大きく違います。生ごみをためて1回ずつ運転する機種もあれば、電源を入れたまま、調理のたびに少しずつ足していける機種もあります(たとえばloofen 家庭用生ごみ乾燥機 SLW01)。どちらが合うかは、生ごみがいつ、どのくらい出るかで変わります。

乾燥と粉砕は別の働きです。乾燥は水分を飛ばすこと、粉砕は細かく砕くことで、乾燥式でも細かく砕く機能の有無や仕組みは機種によって違います。たとえばパナソニック 家庭用生ごみ処理機 MS-N53XDは、メーカーが「乾燥×粉砕式」と説明している機種です。乾燥式なら必ず粉状になる、とは考えない方がよいでしょう。

においとフィルターも一律ではありません。活性炭フィルターを数か月ごとに替える機種もあれば、触媒を使って定期的なフィルター交換がいらない機種もあります。

置き場所は屋内向けが多いものの、屋外に置ける機種もあります。屋外に置く場合は、雨がかからず風通しのよい場所や、防雨型のコンセントといった条件が付くことが多いので、機種ごとの設置条件を確認してください。

処理したものは、乾いた生ごみです。自治体のルールに従って可燃ごみとして出せるほか、土に混ぜて使う方法を案内しているメーカーもあります。ただし、乾燥しただけで完熟した堆肥になっているわけではありません(詳しくは後半の「処理したものは、そのまま堆肥になるわけではない」で説明します)。

バイオ式:微生物の力で分解する

バイオ式は、処理槽に入れた基材(チップなど)にすむ微生物が、生ごみを水と炭酸ガスに分解して減らす方式です。

長所は、生ごみを分解して減らすため、乾かして残す乾燥式とは減り方が違うことです。電気を使わない機種もあります。

短所は、微生物が働きやすい環境を保つ手間があることです。基材の交換・補充が必要で、その代金もかかります。水分が多すぎたり、刺激物を入れたりすると分解がうまく進まず、においや虫の原因になることがあります。

電気を使わないバイオ式もあります。エコ・クリーン 自然にカエルS SKS-101は電気を一切使わず、ハンドルを回してかき混ぜる機種で、1日2回以上かき混ぜること、チップ材の水分を見て調整することが案内されています。ただし、バイオ式がすべて電気不要というわけではありません。電気でかき混ぜる電動のバイオ式もあります。

置き場所は屋外向けが多い方式ですが、室内(台所など)に置ける機種もあります。

処理したものは、分解が進んだ基材です。基材を土に混ぜて使える、と案内しているメーカーもあります。ただし、こちらもそのまま完熟した堆肥になるとは限りません。また、処理物がたまると基材が土のようになって微生物が住みにくくなるため、早めに一部を取り出すよう案内している機種もあります。

ハイブリッド式:名前は同じでも中身はメーカーごとに違う

ハイブリッド式は、ひと言でいえば「微生物による分解」と「乾燥・加熱・送風など」を組み合わせた方式です。この記事では、微生物の分解を乾燥や加熱、送風で助ける仕組みのものをハイブリッド式の例として扱います。

ただし、「ハイブリッド」という名前の使い方はメーカーによって違い、組み合わせの中身も一律ではありません。

  • 微生物が働きやすい水分を保つために乾燥機能を備えたバイオ式を、ハイブリッド式と呼ぶことがあります。
  • ナクスル(NAXLU) FD-015Mの販売元は、「熱で乾かしながら微生物で分解する」方式をハイブリッドと呼び、あわせて脱臭を3つの方法で行う点も「ハイブリッド」と説明しています。

そのため、「ハイブリッド式だからこう動く」と決めつけず、商品説明で、何と何をどう組み合わせているのかを確かめることが大切です。

長所は、乾燥や加熱の働きで、基材を微生物が働きやすい水分に保ちやすいことです。電源を入れたまま生ごみを足していき、増えた中身をときどき取り出す、という使い方の機種があります。

短所は、電気を使ううえに、基材などの消耗品もかかることです。基材の交換時期の案内も機種によってさまざまです。本体が大きく重い機種もあるため、置き場所の余裕も確認が必要です。

置き場所と処理したものは機種によって違います。室内用でも条件付きで屋外に置ける機種があり、取り出したものの土への使い方を案内しているメーカーもあります。

処理したものは、そのまま堆肥になるわけではない

「生ごみ処理機を使えば肥料ができる」と思われがちですが、処理したものがそのまま完熟した堆肥になるとは限りません。

  • 乾燥式:水分を抜いただけの状態です。堆肥として使うには、土に混ぜて、土の中の微生物による分解を進める必要があります。
  • バイオ式・ハイブリッド式:微生物で分解が進んだものですが、取り出してすぐに植物の根へ直接与えられるとは限りません。土に混ぜてなじませてから使うよう案内している機種もあります。

土に混ぜる量やなじませる期間は機種によって案内が違うため、使う機種の案内に従ってください。家庭菜園で使いたい場合は、購入前に取扱説明書やメーカーの案内に使い方が書かれているかを確かめてください。使い道がない場合は、お住まいの自治体の分別ルールに従って捨てます。

費用は「本体・電気・消耗品」の合計で考える

生ごみ処理機の費用は、本体価格だけでは比べられません。

  • 本体:方式よりも機種による差が大きい部分です。自治体の購入費助成が使える場合もあります(補助金の確認方法)。
  • 電気代:乾燥式・ハイブリッド式・電動のバイオ式でかかります。電気を使わないバイオ式ならかかりません。
  • 消耗品:バイオ式・ハイブリッド式の基材、脱臭フィルター、機種によっては脱臭用のランプなど。交換の頻度は機種によって違います。

メーカーが示す電気代の目安は、「1回あたり(処理する量ごと)」「1時間あたり」「1か月あたり」と、機種によって単位が違います。前提にしている電気料金の単価もそろっていません。比べるときは、処理量・運転時間・電気料金の単価・消耗品の交換頻度を同じ条件にそろえて計算しましょう。計算の手順と例は「費用の見方」で説明しています。

暮らし方から方式を選ぶ

方式を選ぶときは、次のような生活条件から考えると絞り込みやすくなります。

  • キッチンに置いて、基材の管理はしたくない:乾燥式から探します。ためて1回ずつ運転するか、少しずつ足していくかで機種を分けます。
  • 電気代をかけたくない、毎日かき混ぜる手間はかけられる:電気を使わないバイオ式が候補になります。
  • 中身を捨てる回数を減らしたい、置き場所に余裕がある:バイオ式・ハイブリッド式を検討します。基材の交換費用と、本体の大きさ・重さもあわせて確認します。
  • 処理したものを家庭菜園で使いたい:方式よりも、取扱説明書に土への使い方が書かれているかを確認します。
  • ベランダや屋外に置きたい:方式で決めず、屋外に置ける機種かどうかと設置条件を確認します。

生ごみの量や置き場所の広さから機種を絞る方法は「生ごみ処理機の選び方」にまとめています。

よくある質問

電気代がいちばん安いのはどの方式?

電気を使わないバイオ式なら、電気代はかかりません。ただし、毎日かき混ぜる手間と、基材の交換費用がかかります。電気を使う機種どうしは、方式だけでは安い・高いが決まりません。運転時間や処理量、電気料金の単価をそろえて比べてください。

においが少ないのはどの方式?

方式だけでは決まりません。乾燥式は運転中に独特のにおいがすることがあり、バイオ式は水分が多すぎるとにおいの原因になります。脱臭の仕組みやフィルターの有無も機種によって違うので、購入前に脱臭の方法と、フィルターなど消耗品の交換頻度を確認しましょう。

マンションの室内に置ける?

室内に置ける機種は、乾燥式を中心にどの方式にもあります。ただ、屋内専用・屋内外兼用・屋外向けの区別は機種ごとに違います。コンセントの位置、本体とフィルターを含めた大きさ、ふたを開けるための上の空間を確かめておくと安心です。

処理したものは堆肥になる?

そのまま完熟した堆肥になるとは限りません。乾燥式は乾かしただけの状態で、土になじませる期間が必要です。バイオ式・ハイブリッド式も、すぐに肥料として使えるとは限りません。土への使い方は、機種ごとの案内に従ってください。

ハイブリッド式なら手間はかからない?

手間がゼロになるわけではありません。基材の状態を見る、増えた中身を取り出す、消耗品を交換する、といった作業があります。どのくらいの手間があるかは機種によって違うため、取扱説明書の手入れの項目を確認しましょう。

次にすること

方式の違いを踏まえて、実際の機種を同じ項目で並べて見るには、比較表を使ってください。

方式の違う4機種を比較表で見る

参考情報

に確認した内容です。価格や条件は変わることがあるため、購入前に公式情報をご確認ください。

誤りがあった場合の訂正方針

条件が整理できたら、同じ項目で比べる。

比較は最大4機種。仕様は出典と確認日つきで、点数や順位は付けません。

機種を比較する