選び方

家庭の生ごみを減らす方法:使い切る・水を切る・処理する

処理機を買う前にできることから、順番に整理します

家庭の生ごみを減らすには、まず食べられるのに捨てている食品(食品ロス)を減らし、次に生ごみの水分を減らし、それでも困る分を堆肥化容器や生ごみ処理機で処理する、という順に考えると整理しやすくなります。家庭の食品ロスは国の推計で年間約224万トンあり、その4割以上は未開封のまま捨てられた食品(直接廃棄)です。生ごみの約8割は水分とされ、水切りだけでも量を減らせます。

この記事の要点

  • 家庭の食品ロスは年間約224万トン(令和6年度の国の推計)。未開封のまま捨てた食品(直接廃棄)が43%、食べ残しが41%
  • 買い物の前に冷蔵庫を確認し、必要な分だけ買い、残っている食材から使うことが、生ごみを出さない第一歩
  • 生ごみの約8割は水分。濡らさない・乾かす・しぼるで量とにおいを減らせる
  • それでも困る分は、堆肥化容器や生ごみ処理機で処理する。自治体の補助や配付もある
  • どの方法も、続けられるかどうかで選ぶ

生ごみを減らしたいと思ったとき、最初に生ごみ処理機を思い浮かべる人も多いでしょう。ただ、処理機は「出た生ごみ」を減らす道具です。その前に、生ごみそのものを出さない工夫や、水分を減らす工夫があります。

北九州市は「使い切り・食べ切り・水切り」の「3切り運動」で、食品ロスをはじめとする生ごみを減らせると呼びかけています。この記事では、国の推計と、消費者庁・自治体の案内をもとに、家庭でできる方法を順番に整理します。

まず知っておきたい数字

ごみの3割〜半分が生ごみ

自治体の資料では、ごみに占める生ごみの割合は次のように紹介されています。比べている「ごみ」の範囲は自治体ごとに違います。

自治体 生ごみの割合
千葉市 可燃ごみの約3割
浜松市 家庭のもえるごみのおよそ4割
岡山市 家庭の可燃ごみの約4割
北九州市 家庭ごみの約半分

そして、生ごみの約8割は水分とされています(千葉市・浜松市・北九州市)。

家庭の食品ロスは年間約224万トン

環境省の推計では、令和6年度(2024年度)の食品ロスは約461万トンで、そのうち家庭から出たものが約224万トンでした。家庭の食品ロスの内訳は次のとおりです。

区分 量 割合 内容
直接廃棄 96万トン 43% 未開封の食品を食べずに捨てたもの
食べ残し 93万トン 41% 食べ切れずに残したもの
過剰除去 35万トン 16% 野菜の皮を厚くむきすぎるなど、食べられる部分を捨てたもの

家庭の食品ロスは2012年度の312万トンから全体として減ってきていますが、未開封のまま捨てた食品が最も多いことがわかります。

1. 生ごみを出さない(使い切る・食べ切る)

消費者庁は、家庭での食品ロスを減らす方法として、次のような工夫を案内しています。

  • 買い物の前に在庫を確かめる:冷蔵庫や食品庫にある食材を確認し、メモしたりスマートフォンで撮影したりして、買い物のときの参考にする
  • 必要な分だけ買う:使う分、食べられる量だけ買う。まとめ買いを避ける。すぐ使う食材は、お店の棚の手前から取る
  • 表示どおりに保存し、残っている食材から使う:食品に書かれた保存方法を守る。余った料理はリメイクする。野菜は冷凍したり茹でたりして下ごしらえしておく
  • 期限表示の意味を知る:消費期限は過ぎたら食べないほうがよい期限、賞味期限はおいしく食べられる期限です。賞味期限は、表示どおりに保存していれば、過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。開封した後は、期限にかかわらず早めに食べ切ります

消費者庁は、家庭で捨てた食品の量を量るだけで食品ロスが約2割減り、量ったうえで減らす工夫を加えると約4割減った、という実証事業の結果も紹介しています。どれくらい捨てているかを知ることが、減らすきっかけになります。

2. 水分を減らす(濡らさない・乾かす・しぼる)

出てしまった生ごみは、水分を減らすと軽くなり、においも抑えやすくなります。千葉市は、水切り1回で約1割の減量になるとしています。

岡山市は、水切りの3つのポイントを挙げています。

  1. 濡らさない:野菜は洗う前に皮をむき、皮は濡れやすい場所に置かずにそのまま捨てる
  2. 乾かす:茶がらは水気をしぼって乾かす。水分の多いものは天日干しで十分に乾かす
  3. しぼる:捨てる前に、ひとしぼりする

浜松市は、三角コーナーの生ごみを上から押して水を切る道具を配っています。においやコバエを防ぐ工夫は「生ごみのにおい・コバエ対策」でも詳しく説明しています。

3. 処理する(堆肥化容器・生ごみ処理機)

使い切りと水切りをしても、生ごみの量やにおいに困る場合は、堆肥化容器(コンポスト)や生ごみ処理機で処理する方法があります。

町田市の補助制度のパンフレットは、生ごみを減らしたい人には生ごみ処理機、堆肥を作ってガーデニングや家庭菜園をしたい人には堆肥化容器、と分けて紹介しています。町田市の計算では、4人家族の場合、乾燥式の処理機で年間約174kg、堆肥化容器で年間約220kgのごみが減るとしています(1人1日約151gの生ごみと、メーカー公表の減量率の平均79%をもとにした市の計算による目安)。

処理機や堆肥化容器の購入費の補助や、容器の配付を行っている自治体があります。たとえば浜松市は堆肥化容器の無料配付(条件あり)と処理機の補助を、福岡市は電気を使わない堆肥化容器の購入費の補助を行っています(「生ごみ処理機の補助金を自分の自治体で調べる方法」)。

どの方法から始めるか

この記事の順番は、自治体の案内をもとに編集部が整理したものです。決まった順番があるわけではありませんが、お金がかからず、すぐに始められる方法から試すと続けやすくなります。

段階 方法 費用 手間
1. 出さない 在庫確認、必要な分だけ買う、使い切る かからない 買い物と献立の工夫
2. 水分を減らす 濡らさない・乾かす・しぼる ほとんどかからない 毎回のひと手間
3. 処理する 堆肥化容器、生ごみ処理機 本体代、資材・基材代。処理機は電気代も かき混ぜ、手入れ、処理物の扱い

処理機が自分の家に必要かどうか迷うときは「生ごみ処理機はいらない?必要な家庭と急がなくてよい家庭」も参考にしてください。

よくある質問

生ごみ処理機を買えば、ほかの工夫はいらない?

ほかの工夫も続けたほうがよいです。処理機は出た生ごみを減らす道具で、食品ロスそのものは減りません。また、苫小牧市は、水分が多いと処理に時間がかかるとして、よく水切りするよう案内しています。

賞味期限が切れた食品は捨てるべき?

賞味期限は、おいしく食べられる期限です。消費者庁は、表示どおりに保存していれば、期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではないとしています。一方、消費期限は過ぎたら食べないほうがよい期限です。開封した後は、どちらも早めに食べ切ってください。

水切りだけで、どのくらい減る?

千葉市は、水切り1回で約1割の減量になるとしています。乾かす、濡らさないといった工夫を組み合わせると、さらに水分を減らせます。

次にすること

  1. 1週間、捨てた食品と生ごみの量を量ってみる
  2. 買い物の前に冷蔵庫を確認し、使い切りと水切りを続けてみる
  3. それでも困るなら、堆肥化容器や処理機と、自治体の補助を調べる

参考情報

に確認した内容です。価格や条件は変わることがあるため、購入前に公式情報をご確認ください。

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